近代工業に木槽が登場した背景には、耐弱酸・耐弱アルカリ性にすぐれた木材の性質にありました。当初は科学工業や蒸留、醸造工場などでも、もっぱら科学薬液、廃液、流動性食材の貯蔵槽として活用されてきました。
日本でも酒や醤油の貯蔵に古くから巨大な桶が"単なる水"の貯蔵にも最適な機材であることが人々の注目を集めるようになりました。
また、千年以上もの生活文化の中で水桶、湯桶が必需品としてごく自然に使われたことも人々が"木の器"に対して信頼と安心を寄せる心理的な土壌となってきました。
そして、現在、木槽は飲料用水槽(受水槽・中間水槽・高架水槽)、温泉貯湯槽、ホットウェルタンク、膨張タンク、太陽熱用貯熱槽、醸造他産業用木槽など多方面の用途に活用いただいております。
海外での利用状況
現在、アメリカではニューヨーク市内だけでもビルの木槽は10,000基以上あり年間400基近くが更新されています。衛生性、保全性、堅牢性、トータルコストとしての経済性など木槽のよさが隠然として市民のニーズを高めています。木槽はヨーロッパにおいて、より歴史は古く製作、設置、保全を担う職人には北欧出身者が多く、歴史的文化の背景が欧米での木槽の普及率も高めています。
将来の展望
地球規模で環境問題が議論されている今日において、温暖化の阻止は、人類規模の課題です。木槽は製作過程でのライフサイクルCO2の排出量が極めて小さく、また廃棄処分をする場合には再生紙やウッドチップとして再利用できる等、環境問題においても充分に寄与できるものであります。
人体にやさしい天然素材を使用している事による安心感をお届けできる商品であり、衛生、安全、経済性、環境負荷などがすべての面で、21世紀に生きる市民の欲求に応える、水槽の゛切り札゛として十分な成長を遂げていくものと確信しております。
木槽の形状は丸型、楕円型で寸法は、高さ、直径共に12m程度迄、容量は1m3~1,000m3まで必要な容量、寸法により自由に選定可能です。
材種 | 気乾比重 | 圧縮強さ | 剪断強さ | 曲げ強さ | ヤング係数 |
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米ヒバ | 0.51 | 375 | 80 | 705 | 100 |
日本ヒノキ | 0.41 | 400 | 75 | 750 | 90 |
日本スギ | 0.38 | 340 | 80 | 660 | 80 |
米マツ | 0.55 | 420 | 80 | 780 | 130 |
ロシアカラマツ | 0.51 | 465 | 120 | 1,025 | 120 |
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