大分醤油協業組合 醤油諸味発酵樽

醤油の諸味を熟成させる大型木槽。

タンク内では、こうじ菌のつくった酵素や乳酸菌、酵母などの微生物が分解し発酵していきます。じっくりと3年間木槽内で熟成された諸味は、おいしく、こくのある醤油として出荷されます。
こちらの写真は平成15年に納入した直径・高さともに9mを擁する有効530m3の諸味発酵槽。
産業用木槽は醤油だけでなく味噌等の発酵槽としても利用されています。

品質に対するこだわりをお客様にアピールでき、営業的に相当なプラスとなっています。
導入から16年、メンテナンスも楽です。

木槽導入のいきさつ


大分醤油協業組合
理事 工場長
堺 留夫様

大分醤油は近代化された設備の工場ですが、醤油の味は江戸時代の方が良かったのでは?との発想から、木槽導入を考えました。

醸造工程の中で諸味が一番長く過ごすのは発酵・熟成の工程で、江戸時代は木しかなかったため木槽で仕込む事が重要と考え、発酵させる設備を再現させました。ただし、小型の桶では意味がないので屋外設置の蓋付の樽(大型)という発想で木槽を設置しました。(大型の理由としては屋外設置なので外気温の影響を極力小さくする為に大型の木槽が必要でした。)
八本木樽は想定通りの諸味が出来、品質も安定していたのでさらにより大型では品質が良化するのではとの考えで大樽を作り、品質は予想通りの製品が出来ています。大樽は現在2回出荷し、2013年4月から3回目の仕込みとなっています。当初杉材を念頭に置いていましたが、長尺が無理でしたのでヒバとしました。
その後吉野杉木槽を導入しましたが、ヒバと杉の材質の違いが製品に変化をもたらす事はありません。ですが、イメージとしては杉の方が日本人には受けると思います。

木槽導入によって営業的に相当なプラス(全体の)となっていると判断しています。
品質に対するこだわりをお客様にアピールでき、お客様も木槽使用と3年の長期熟成を大変評価しています。
現在約10,000人/年の見学者がおられますが、すべて一番興味を持つのは木槽で、外置きで使用されている事もビックリされます。

導入から16年が経過しましたが一滴の漏れもなく、一度の仕込失敗もなく品質が安定しています。
さらにメンテナンスも他のタンク以上に費用がかからず、楽です。

木槽で醸造された諸味は香りが他と決定的に違い、華やかな香りです。
発酵具合が良く、十分に良い諸味が出来てビックリしました。

他のタンクで醸造された諸味と木槽で醸造された諸味は香りが決定的に違い、華やかな香りです。
当初は木槽は温度管理が出来ないので本当に発酵するのか?と疑問を持っていましたが、加温しなくても自然発酵で諸味温度の持続性があり、おだやかに発酵するため微生物が非常に活発に働きますので発酵具合が良く、十分に良い諸味が出来てビックリしました。

木槽は漏れもなく、強度・機能的にも問題なく、ほとんどフリーメンテンナンスなので容器としては楽です。


大分醤油協業組合
品質管理課 諸味管理係
釘宮 敬悟様

仕様

納入 平成18年
寸法 4.5×5.95H
有効 160m3

納入 平成7年
寸法 6.0×8.82H 8基
有効 1920m3

納入 平成15年
寸法 9.0×8.82H
有効 520m3

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